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2016年7月7日木曜日

思考実験でひと休み、テセウスの船






この船、とても大切に使われた為
何度も修理が施されました。
すると、30あるパーツ全てが
オリジナルの物と
取り替えられてしまっていたのです。
それに気付いた哲学者は
『この船はもはや、テセウスの船とは
別の船なのでは?』
と疑問を投げかけます。

このパラドックスはとてもユニークで
人にも当てはまります。


人という器

人の細胞は、絶えず入れ替わっています。
死んだ細胞を生まれた細胞が穴埋めしているのです。
7年もすると、人の細胞は
全てが新しい細胞と入れ替わっているそうです。

では、
7年前の私と今の私は
同一人物なのでしょうか?
とても面白い考え方です、
私のいちばんのお気に入りパラドックスです。


テセウスの船は解答できない?

この難題を解決しようと
アリストテレスは解答できないか考えます。
哲学からの見解で
意外とあっさり解答されます。

形相因
『復元を繰り返したのであれば、
設計は同じはずである。』

質量因
『同じ材質で復元したのならば、
質量は同じはずである。』

目的因
『テセウスが使った船を復元したのなら、
全てが変わってもテセウスの船である。』

動力因
道具や技法が変わっていないなら、
元の船と変わらないはずである。』

しかし、後にこれまたあっさり覆ります。
その原因が、
テセウスの船の内容に付け加えられた
『オリジナルの部品をかき集めて組み立てたら
どちらがテセウスの船なのか』
という、これまたややこしい問題が
浮上してきたからです。



同じの定義

さて、この2隻
かなりややこしいことになりました。
質的に同じ船が並んでいます、
でも2隻あるので同じとは言い切れません。
世の中にテセウスの船は一隻のはずです。

どうせなら、どちらかの船
木の部品を鉄に変えてしまいましょう。
すると、木でできた船と鉄でできた別々の船になったので
テセウスの船と呼んでも問題なさそうです。
数的に同じ(世の中に1隻)は
なんとか叶いました。
しかし、鉄のテセウスの船は
質が変わってしまいました。
これはもうテセウスの船とは呼べそうにありません。


まとめ

そう、それぞれの主観によって
この船は同じであったり違ったりしてくるんです。

そして人も。
アルバムに写った子ども、
今より小さいけれどあなたです。
赤ちゃんの写真、幼稚園の写真、小学生の写真
全部あなたです。
でも、100%同じ質ですか?
不思議ですね、疑心暗鬼になります。

ただ、私なりの見解として
人には当てはまらないと思っています。
人の場合、写真で見返すことはできても
7年前の私と同時に存在できません。
すでに過去の細胞は存在していませんから、
今の私以外に存在していないのです。
同じの定義が人には通用するんですね。

『人は生まれ変われる』といいますが
今の話を聞くとやたら説得力ありますね!
7年後の私は、いったいどんな姿なのでしょう。




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